- PFCバランスとは
P(タンパク質)、F(脂質)、C(炭水化物)のバランスになります。間違ったやり方として極端にご飯夜抜く、油ものを避けるという風なダイエットをすると一時的に体重は減りますが、筋肉量と代謝が落ちてしまい、ダイエットを辞めた後に必ずと言っていいほどリバウンドします。そこでしっかりとPFCバランスを理解した上で食事をすることが大切になります。
- タンパク質
筋肉を作るために重要な栄養素。タンパク質をとらずにダイエットを続けると筋肉が痩せてしまい、体重は軽くなったが脂肪ではなくただ筋肉が減っただけになってしまいます。
タンパク質は1グラム当たり4kcalです。
- 脂質
脂質は体温を保つ役割があるため、不足すると体温が下がったり、肌が乾燥したりしてしまいます。非常時のエネルギーとしても使われますが、体にためやすいけど使われにくいという特徴を持っています。そのため溜まりすぎるとぽっこりお腹になります。3つの栄養素の中で1グラムあたり9kcalと最もカロリーが高いです。
- 炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維に分けられます。筋肉や脳が動く時のエネルギーです。糖質のエネルギーは体に貯蓄出来る量に限界があるため、過度に摂取すると、脂肪に変換されて蓄積する可能性があります。もう一つの特徴が、糖質が不足すると筋肉を分解してエネルギーにしようとするため筋肉が減ってしまい、基礎代謝が落ちてダイエット後にリバウンドしやすくなってしまいます。
炭水化物も1グラムあたり約4kcalです。
・理想的なPFC摂取量の計算方法
・タンパク質 ── 15~20%
・脂質 ── 20~30%
・炭水化物 ── 50~65%
① 「基礎代謝」を求める
- 男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
- 女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593
② 「活動量」を求める
・ほぼ運動しない(×1.2)
→デスクワーク中心で座っていることが多く、1日の運動は通勤・通学や近所のお買い物程度
・軽い運動(×1.3)
→ 上記の活動量が低い人+
1週間に1,2回程度軽い運動や筋トレをする
・中強度の運動(×1.5)
→営業の外回りや肉体労働で1日中よく動いている。
または1週間に2,3回程度強度の高い運動や筋トレをする
・激しい運動(×1.7)
→ 上記の標準の人+1週間に4,5回程度強度の高い運動や筋トレをする
・非常に激しい(×1.9)
→スポーツ選手、アスリート
③ 「消費カロリー」を求める
基礎代謝+運動その他含む1日で消費する
④「摂取カロリー」を求める
1ヶ月−2kgから2.5kgまでを推奨している
1kg=7200kcalなので、2kgの場14400kcal
2.5kgの場合18000kcal
30日で日割り計算すると
2kg480kcal・2.5kg600kcalとなる。
消費カロリーから上記の数字を引く。
※この時摂取カロリーが基礎代謝を下回らないことを注意する。
⑤「P:タンパク質」の摂取量を算出する
「筋肉を落とさないようにしながら体脂肪を落とす」には、タンパク質をしっかりと摂る必要があります。
従って、脂質や炭水化物よりも、まずはタンパク質の摂取量の算出が優先されます。
1日のタンパク質の摂取量は「体重 × 1.5~2g」を目安にするとよいでしょう。
⑥「F:脂質」の摂取量を算出する
脂質の摂取量を算出するには、まず「脂質から摂取すべきカロリー」を算出することから始めます。
脂質から摂取すべきカロリーは、「目安摂取カロリーの15~20%」が目安となり、計算すると次のようになります。
⑦ 「C:炭水化物」の摂取量を算出する
炭水化物から摂取すべきカロリーは、目安摂取カロリーからタンパク質と脂質のカロリー数値を引けば、求めることができます。
・PFCバランスを考慮した食生活のポイント
・タンパク質の過剰摂取に気をつける
健康的にダイエットをしたり、たくましい体づくりをするためには、タンパク質をしっかりと摂取する必要がありますが、過剰な摂取は肝臓や腎臓に負担を与えてしまいます。
肝臓はタンパク質の分解過程で発生する有害なアンモニアを、無害な尿素に変換するために働きます。
そして、腎臓はその尿素を体外に排出するために働きます。
つまり、タンパク質の過剰摂取は、肝臓や腎臓のオーバーワークを招き、ひいては体のコンディションが低下する原因にもなるのです。
さらに、タンパク質を過剰に摂取し続けると、体内のカルシウムが排出されやすくなるため、骨量の低下が進み、最悪の場合、骨粗しょう症になってしまうことも考えられます。
・炭水化物(糖質)は空腹状態で摂取しない
炭水化物(糖質)を空腹状態で摂取すると、血糖値が急激に上昇してしまいます。
血液が高血糖状態になると、膵臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
インスリンには血糖値を正常に保つ働きがあり、その働きによって上昇した血糖値は下げられますが、高血糖状態から急激に血糖値が下がると、強い空腹感を覚えるようになります。
この強い空腹感が過食を招き、ひいてはメタボや肥満症を誘発することにもなるのです。
・良質な脂質(油脂)を摂取する
油脂にはいくつかの種類があり、体に良いものや、そうでないものがあります。
簡単に説明すると、油脂は「脂肪酸」と「グリセリン」からできており、そのうち脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」とに大別されます。
人によっては「飽和脂肪酸=悪、不飽和脂肪酸=良」といった認識を持っていることもあるようですが、必ずしもそうとは言い切れません。
たとえば、飽和脂肪酸の中にも「ココナッツオイル」のように体に良いとされる油脂もありますし、逆に不飽和脂肪酸の中にも「トランス脂肪酸」のように体に悪いとされる油脂もあります。
いろいろな脂肪酸がある中で、身近で安価な良質脂肪酸といえば、青魚に含まれる「オメガ3系脂肪酸」が挙げられるでしょう。
オメガ3系脂肪酸には、心筋梗塞や動脈硬化、虚血性心疾患などを予防する効果が期待でき、他にも脳の活性化や内臓脂肪の燃焼にも役立つと言われています。
また、青魚を食べるとオメガ3系脂肪酸を摂取できるだけではなく、タンパク質も一緒に摂ることができるため、そういう意味でもオススメです。
この3つの栄養素を意識して食事をすることで、筋肉を増やしながら代謝を良くして健康的に痩せていくことができます。